てくてくわくわく 街道ウォーク

週末の東海道てくてく歩きのブログです!

肘頭骨折 術後79日目 成長は痛い

今週のお題「〇〇の成長」

 

 つい最近、社会人1年目の次女が、家を出たいと言ってきました。寝耳に水です。思わず「えっ、なんで?」と言ってしまいました。「通勤時間がもったいない。」のだそうです。通勤ったって、彼女の場合、東京郊外から都心まで、1時間20分ほど。近くはありませんが、世の中にはそんなお父さん、五万といらっしゃるんじゃありませんか? 「で、いつ出ていくの?」と聞いたら、「12月のはじめに」と。寝耳に水どころか、もう絶句です。「は? なんで今?」

 彼女に関しては、比較的自由に育ててきたように思います。なので進学もバイトも就職も、「こうすることに決めたから」「もう、こうしているから」という事後報告が多かった。そのたびに、なぜもう少し事前に相談がなかったのかと寂しく思い、その気持ちは本人にも伝えてきたけれども、変わることはありませんでした。その延長にあるのが今回の「家を出る」なのでしょう。この事態を想像できなくもありませんでしたが、実際に突き付けられるとやはり寂しいです。それに「腑に落ちない」 こんなに急に「それじゃ」と出ていくのは、あまりにさっぱりしていませんか? 

 今回は珍しく(いや、おそらく初めて)、彼女の決断に異を唱えてみました。「腑に落ちない」とそのままに。いや、正直に言えば、「寂しい」のでしょう。なので、「急に出ていかれては寂しい。」とも言いました。「これから、寒くなるよ。引っ越しは春になってからにしたら? ほら、こたつも出すからさー。」と言ったら、「あー、こたつかぁ・・・」と。しばしの沈黙の後、「2月にしようかな」。側に居合わせた息子(彼女にとっては弟)が、「すげえ、母が押し切った・・・」 

 出ていくと言われて、私はとても心が痛かったのです。

 

 成長は痛みを伴うもの・・・。そう考えて連想したのが、「成長痛」です。身体が急激な身長(骨)の伸びに耐え切れずに、周りの筋肉などが引っ張られて起こる痛み・・・らしいです。

 同じく成長期の子どもに発症するのに、オスグッドシュラッター病というがあります。膝に負担がかかるスポーツを繰り返すことで、膝の下に瘤のような盛り上がりができます。 かなりの痛みをともない、時にはスポーツを中断しなければならないような深刻な事態にも陥るのです。

 陸上部に所属していた我が家の息子も、中学1年生の時に、これになりました。タイムをあげたくて、走り込みを頑張り過ぎた結果でした。運動中止を言い渡され、大会に出られなかったという、苦い思い出があります。身体も痛いけれど、心も痛かった出来事でした。

 オスグッドと成長痛は混同されることが多いですが、別物なんだそうです。ですが、10代の入り口で身体が大きくなろうとしている喜ばしいときに、痛みを伴うというのは、本人も寄り添う家族も心が痛く、同じ様な色合いを帯びて見えてしまうのでした。

 

 話を戻します。

 次女の「家を出たい」ということですが、わからないでもありません。私も20代のころは親から離れて生活してみたいと思ったことはありました。ただ、私の場合、一人っ子だったのと、母の力が大きかったのと、親に背を向ける気がしなかったのと、などなど状況が重なり、行動に至ったことはありませんでした。私が親元を離れたのは、結婚したときです。その時のことを思い出すと、チクリと心が痛みます。

 結婚式の前日、些細なことで母とけんかをしました。何が原因でけんかをしたのか、全く思い出せません。つまり、本当に些細なことだったのです。

 結婚式の朝、さすがにこのまま式場へ行くのはまずいと思いました。かといって素直に謝る気もしません。(何に対してそれほどまでに腹を立てていたのか、謎です・・・) ただ一言、玄関で親に言いました。「それじゃ。お世話になりました。」

 あんな言い方はなかったなと、ずっとずっと思っています。部屋で座ってきちんと頭を下げて、「今までありがとうございました」と心を込めて言うべきでした。

 その後、両親との関係は、現在に至るまで良好ですが、私の思い出の中で、あのワンシーンは、消すことができないでいます。痛みを伴って。

 

 一昨日だったか、長女が教えてくれました。あの後、次女が長女に打ち明けたそうです。「このまま出ていくのも気まずいかと思ってさー」 それで折れたんだって。マイペース&事後報告でやってきた次女も、今回は心が痛かったのでしょうか・・・? 大きくなったね、と思いました。

 友人たちには、「仕方ないよ。」「いつかは老夫婦二人になるんだよ。」「私たちと遊ぼう。」と言われています。私は、どうやらもうひとまわり成長しなければならないようですね。