てくてくわくわく 街道ウォーク

週末の東海道てくてく歩きのブログです!

第28回ウォーク 丸子→岡部②

 街道ウォーク丸子→岡部の後半です。前半については、こちらをご覧下さい。↓

 

www.lupinus-shiroyagi.com

 

 さて、宇津の谷峠の入り口、なんともいやーな感じだったのですが、意を決して足を踏み入れました。街道から外れるわけにはいきませんから・・・

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 以下、チェックポイントにそって記述いたします。

馬頭観音

  峠入り口すぐにあったはずの馬頭観音、見逃しました。暗くて草ぼうぼうの山道を引き返す気になれず、あっさりチェックを断念しました。何を隠そう、私は「草木恐怖症」(そういうものがあるのかわかりませんが)です。葉っぱとか藪とか苦手で、頭がキーンキーーンとするんです。今回に限らず、藪の奥に足を踏み入れるチェックポイントの写真撮影は、くろやぎ(同行人&オット)に頼んでおります。

お弘法さん

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 祠の中に弘法さまが安置されているとか。この先40メートルとありますが、恐怖症なのでやめておきます。

 この脇道の先にあるらしい・・・ とても無理。

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雁山の基

 山口素堂に俳諧を学んだ俳人・雁山(がんざん)という人のお墓?だそうです。これが? 小さいけど。

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 説明の碑文です。享保の俳人なのですね。どうやら、本当にお墓らしい。失礼しました。


地蔵堂跡

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 地蔵堂跡の石垣の説明文ですが、石垣の写真はありません。石垣、あったのか。恐怖症のため、道をあるくのが精いっぱいでありました。

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 地蔵堂跡の説明文です。

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 江戸時代末期の河竹黙阿弥による歌舞伎の演目「蔦紅葉宇都谷峠」の舞台となったところです。

 姉が自ら身売りして用立ててくれた百両の大金を持って京へ向かう按摩の文弥。借金の返済に奔走する伊丹屋十兵衛。ともに丸子宿に泊まります。文弥が大金を持っていることを知った十兵衛は昼なお暗い宇都谷峠に誘い出し、この地蔵堂の前で殺害しました。何とも気持ちの悪い場所ですね・・・

宇津ノ谷峠

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 峠の看板です。この辺りが一番高いのでしょうか。それまでのうっそうとしたところから、やや開けた感じになり、ちょっとほっとしました。

 ちなみに、この道は、天正17年(1589)、秀吉が小田原攻めの時に大軍を通すために峠を開削したのが、後に東海道になったのだそうです。こんな狭い山道が街道だなんて。過酷な旅ですね。

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 さすがに、明治になると、この下にトンネルが掘られたのですね。

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髭題目碑

 ようやくここまで来ました。苦手な草ぼうぼうの山道、もうすぐおしまい。

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 題目碑についての説明碑、アップします。

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 髭のようにツンツンはねた字体で「南無妙法蓮華経」と刻まれ、旅の安全と、世の平和・豊作を願っているのだとか。ありがたや。

 

 この辺りの東海道について、説明板です。別名を大名街道と言ったそうです。

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 険しい峠道が、参勤交代の行列で賑わったのですね。

坂下延命地蔵堂・鼻取地蔵

 山道から舗装道路に合流しました。左側が歩いてきた峠道、右側が「蔦の細道」に続く道です。「蔦の細道」は、東海道以前の峠越えの道です。

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 坂下地蔵堂についての説明碑をアップします。元禄13年(1700年)に再建」されたものだそうです。地蔵尊は峠越えをする旅人の安全を守り、地蔵堂の前の木陰は旅人の疲れを癒したとのこと。確かに、現代ですら暗く寂しかった峠道。地蔵堂があったのは心強かったことでしょう。

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 ここに伝わる伝説「鼻取地蔵」は、バイブルのガイドブック(『ちゃんと歩ける東海道五十三次』八木牧夫 山と渓谷社)によれば、全く動かない牛を、地蔵が子どもに化身し、牛の鼻を引いて動かしたという・・・

 

 ところでこの場所は、安藤広重の「東海道五十三次」岡部宿のスポットなのでないかと思われます。はっきりと断定できるような説明板等は見つかりませんでしたが。

  

 こちらが広重さんの浮世絵。険しい山間の道が二手に分かれ、右側に川が流れています。

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 こちらがスポット思われる場所。左が東海道。右が蔦の細道。写真ではわかりませんが、右側には川が流れていました。後方の山の形も、広重さんの画と似ていませんか? いかがでしょう?

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 峠道を後にして、国道1号線の歩道を歩きます。

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 歩道橋で、国道1号線を横断します。

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 国道を後にして、再び静かな旧道に。

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 大旅籠柏屋の案内表示に、ゴールが見えてきた気分。ガンバレガンバレ。

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十石坂観音堂

 削られた崖の上にあります。ボーっとしていると通り過ぎそう。(実際通り過ぎてしまって、戻りました。)

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 お堂の中に、家康から四代将軍家綱までの位牌が安置されているそうですが。岡部町指定文化財です。

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 観音堂についての説明板をアップします。

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 入母屋造りの瓦ぶきの観音堂で、江戸時代のもの。手の込んだ細工が施された格子。なかなかのものらしい。ひっそりと崖の上に立っているお堂なのに、実はすごいらしい。中にある二基の厨子もすごいらしい。びっくり。

 

 お堂の脇に並ぶ石も、存在感があったので説明板とともにアップします。

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桝形跡

 この辺り、枡形跡らしいですが、いまひとつピンときません。

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 枡形は、敵が宿場に侵入しにくいように、わざと道を直角に折れ曲がらせているところを言います。

 説明板によれば、木戸と番小屋があって、木戸番が朝晩、木戸を開け閉めしていたそうです。

 コロナ禍の今なら、体温チェックと手指の消毒か・・・?

小祠

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 小祠の脇に、常夜燈もあります。

西行笠かけ松

 旧道は右手の細道へ。西行の笠かけ松について説明板がありましたが、読みづらいですね。一応アップします。この右手の山(というか丘)のどこかに、松がありましたが枯れてしまい、今では松があったとされる根元に、西住基という石基があるのみ。

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 しばらく行きますと、このような説明板がありましたこちらの方がわかりやすいかも。

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 西行笠かけ松とは・・・

 ともに旅をしていた西行と弟子の西住でしたが、あるとき西行に暴力が振るわれたことに腹を立てた西住が、相手を杖で殴ってしまいます。西行は仏に仕える身として耐えることの大切さを説き、西住を破門します。

 西住は師の後を追いますが岡部で力尽き、辞世の句を書いた笠を、最後に体を休めた松にかけ息を引き取ります。

 旅の帰路、岡部を訪れた西行は、西住の笠を見つけて深く悲しみ歌を詠みました。

笠はあり その身はいかになりならん あわれはかなき 天の下かな

三星寺

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 ガイドブックにチェックポイントとして載っている「三星寺」ですが、断定できるお寺は見つかりませんでした。位置的におそらく(十中九)、この建物だとは思います。建物にお寺の名前は、どこにも出ていませんでした。

専称寺

 あ、こちらはしっかり「専称寺」と掲げられていますね。ありがたや。

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 西行の座像(江戸時代後期のもの)と、鎌倉時代の不動尊像があります。説明板をアップします。大変わかりやすかったです。

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 もっとも中にはおいそれとは入れる雰囲気ではなかったので、門からの撮影で引き返しました。

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 このお寺は、旅人にすえるお灸で有名で、今でもやっているとのこと。駐車場の看板を見て、なるほどと合点。

大旅籠柏屋

  いよいよ岡部宿の本陣のある通りまでやってきました。今回のウォークのゴール(最終ポイント)です。

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 大旅籠柏屋は、資料館になっています。

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壁面の表示。たくさん宿場が掲げられているけれど、よくまあここまできたもんだと、感慨ひとしお。早速中に入ってみましょう。

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 中では、弥二さん喜多さんがお食事中です?

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 資料館内のパネルをアップさせてください。柏屋のもともとあった建物は天保5年に火事で焼けてしまい、天保7年(1836)に再建され今に至ります。(随分古いですね。びっくり。)明治になると、質屋や郵便局などに使われたとのことです。

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 展示パネルに宿で出された食事の再現があっておもしろかったので、パチリしてしまいました。質素だけどバランスよく、胃もたれしなくて、いいかも

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 東海道での各宿の食事についてのパネルも面白かったです。大阪の豪商の升屋平右衛門山片重芳という人の日記によるらしいです。昔から、まめに記録する人って、いたんですねー。さて、どこのお宿の食事がいいですかね? 由比なんかよさそうですね! タンパク質多め。

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 柏屋は国の登録有形文化財に指定されています。住宅として使われていたものを、1998年に大規模改修したとのこと。改修工事の際、解体して道路から少し下げています。そのため、もともとは庭にあった井戸が、土間に位置しています。

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本陣跡

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 柏屋に隣接する本陣跡です。立派な門に、往時がしのばれます。中は広大な芝生広場になっていました。お休み処もあり、現代でも旅の疲れをいやすことができるようになっています。

 ・・・なのですが、現在はコロナ禍のため、県外の人は利用できないようになっていました。昼食を食べる機会を逃し、ここで一息入れたいところでしたが、そのままバスで帰りました。(泣) 仕方ないですね。

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 静岡駅に尽きました。次回もここから岡部宿までバスに乗り、藤枝宿を目指します。

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 ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

 

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