今週のお題「私のアイドル」
今週のお題を見て、「困ったな」とつぶやいてしまった昭和生まれのオバサンです。もちろん、私が10代だった昭和50年代にもアイドルはいました。小学校の時は、ピンク・レディのミイちゃんとケイちゃんのどっちが好きかで盛り上がり、中学生の時には、キャンデーズが全盛で、百恵ちゃんがマイクを置いてステージから去っていき・・・。そういう社会現象はすごく印象に残っているのですが、私自身はあまり歌番組には興味がないという、ちょっと変わり者だったのです。アイドルに夢中になったという思い出がないので、「私のアイドル」と言われてもなあと頭を抱えていた時、ふっと一人の方を思い出しました。西城秀樹さんです。
西城秀樹さんと言えば、「♪ロ~ラ!」と歌うお姿を思い浮かべてしまうのですが、西城秀樹さんを「私のアイドル」と思うのは、別に訳があります。
大学生の時に、紅白歌合戦の裏番組のバックコーラスのアルバイトをする機会がありました。コーラスをしたのは、谷村新司さんの「昴」です。複数の大学が集まった「寄せ集めにわか合唱団」でしたが、谷村新司さんと何回か合わせ練習もして、なかなか楽しかったです。で、谷村新司さんのファンになりました・・・ではなく(もちろん、谷村新司さんは素敵な方だったのですが)、なぜ西城秀樹さんか?
それは「握手」です。番組(生放送です)が終わってから高輪プリンスホテル(たぶん)に会場が移って、出演者の方々との打ち上げパーティーが始まりました。紅白に出場はされなかったものの、そうそうたるメンバーです。今思い返しても、びっくりするような方々を本当に間近で見るという、後にも先にもこれっきりの経験をさせていただきました。やがて新年のカウントダウンが始まり、「あけましておめでとう~!!」とみんなでヒューヒュー騒いだことも、いい思い出です。
そんなにぎやかなパーティー会場の中に、ちょっと違った雰囲気の一角がありました。椅子に座っている男性の前に、並んでいる人たち。男性は、西城秀樹さんでした。その時の私の感想は、「おぉ! 本物だ!!」。歌番組に興味がなかった中高生だった私も、この頃にはまあまあミーハーな大学生になっていたので、列に並びました。さわやかな笑顔とともに、しっかり握手(まあ、3秒くらいですかね)してくださった西城秀樹さん。「プロなんだから、そりゃそうだよね」とはわかるんですが、アイコンタクト&握手で、一瞬にしてファンになってしまった私です。以来、ン十年、「お母さん、西城秀樹さんと握手したんだからね!」と我が子に自慢しまくり(「それ、聞いたし・・・」と言われるのがオチ)、雑誌などでお見かけすると、「あ! 西城秀樹さんだ!」とドキドキします。病気をされて、いろいろご苦労もされているようですが、どうかお元気でと祈っています。郷ひろみさんがバリバリ現役で、ブイブイ歌っている姿を見ると、西城秀樹さんの歌声もききたいなあとも思ってしまいます。
この頃のアイドルは、CDを買ったりすると握手券がついてくるらしい。一般人でも近づける機会がある。アイドルは憧れるだけの存在から、手が届きそうな存在に変わりました。なんだか違和感があるなあと常々思っていたけれど、なんてことはない、私だって同じからくりの中にいたんだなと、さっき気が付いて、ひとりで笑ってしまいました。