てくてくわくわく 街道ウォーク

晴歩雨読。週末の東海道てくてく歩き&ときどき読書のブログです!

『家康、江戸を建てる』

 休日のスタイルは、晴歩雨読。晴れた日はてくてく歩き、雨の日は読書三昧。雪が残っている休日も、こたつでぬくぬく読書。

 というわけで、今週末の読書コラムは、『家康、江戸を建てる』(門井慶喜 祥伝社)です。

 

 著者の門井慶喜さんは、先日、『銀河鉄道の父』で第158回直木三十五賞を受賞されて話題になっていますが、こちら『家康、江戸を建てる』は、2014年から2016年にかけて執筆されています。街道ウォークを趣味としている身としては、「これは読まねば!」とキープしていたところ、受賞のお知らせが。『銀河鉄道の父』も気になりますが、まずはこちらから。

 

 内容をひとことで言うならば、江戸の町づくりをテーマにした歴史時代小説です。タイトルでは、主語が家康になっていますが、江戸の町づくりにかかわった人たち(職人や下級役人)に焦点を当てた話で、家康はむしろそれを指図したり見守ったりする脇役。唯一、家康の出番が多いかと思えるのが、最終話の「天守を起こす」です。

 

 面白い、とは思います。世界の大都会・東京が、420年前は草ぼうぼうの湿地帯だったという事実が、まず面白い。知らない人は、ここでびっくり。知っていた人も、もう一度びっくり。

 それから、広大な草ぼうぼうの荒れ地が、まともな町になっていく過程が面白い。ひとつひとつのプロジェクトにびっくり。「第1話 流れを変える」「第2話 金貨を延べる」「第3話 飲み水を引く」「第4話 石垣を積む」「第5話 天守を起こす」という章立ては、そのまま町づくりのインフラ整備の順番の鉄則で、納得です。中でも、利根川の流れを、大きく東へ変えるという大胆なプロジェクトは、伊奈忠次より世代をまたいで約60年もかかったもので、第1話には大変引き込まれました。

 

 残念だったのは、文章の不自然さです。何がとははっきり言えないのですが、体言止めが多いし、読んでいて文章が細切れのような感じがして、なんだか気になってしまうのです。こんなことを言うのは、とても失礼だとは思います。すみません。

 

 この本を読んでいて、思い出した本がありました。『江戸の町 上・下』(内藤昌/イラストレーション 穂積和夫 草思社)です。児童書ですが、かなり詳しく書いてあります。絵本のようなスタイルで、見開き1ページにつき1つのテーマについて、詳細なイラストともに過不足ない説明が易しい言葉で語られています。さすが児童書。実はこの本、児童書としては定番中の定番、1982年出版のロングセラーです。

 内容は、上巻は『家康、江戸を建てる』同様、江戸の荒れ地を城下町にするまでのプロジェクトについてですが、『家康、江戸を建てる』には描かれていない明暦の大火による天守閣炎上までが解説されています。下巻は明暦の大火からの再興・江戸時代後期の江戸の町・無血開城までです。『家康、江戸を建てる』の後に、かつて読んだこの本を再読してみましたが、「そうか、こういうことだったんだ!」と腑に落ちることがたくさんありました。併せて読むと面白さ倍増です!

 もしかしたら、門井慶喜さんもこの本を読んでいらっしゃったのかもしれませんね。というか、『家康、江戸を建てる』はいったいどんな本を参考資料にされたのか、巻末に特に記載がないのが、やや気になりました。読者として、知りたいなあと思います。

 

まとめ

 『家康、江戸を建てる』は、残念な点もありましたが、面白さで帳消しです。読んでよかったと思います。

 歴史時代小説は、類似の本を読んだりしながら、自分なりに検証するのも楽しいですね!

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。また、訪問してくださると嬉しいです。

 

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