てくてくわくわく 街道ウォーク

週末の東海道てくてく歩きのブログです!

肘頭骨折 術後137日目 映画「リンドグレーン」

 今日は映画を観てきました。

 映画館と言えば、子どもと観るドラえもんとジブリばかりでしたが、半年ほど前から、自分のために映画を観に行くようになりました。(子どもと観たドラえもんやジブリも好きですが)

 「ニューヨークの公共図書館」「風をつかまえた少年」、そして今日のが「リンドグレーン」。司書という仕事柄、如何にもというラインナップですが、「リンドグレーン」、とてもよかったです。

 

 アストリッド・リンドグレーンは、スウェーデンが誇る児童文学作家です。1907年に、スウェーデンのスモーランド地方に生まれ、「長くつしたのピッピ」や「やかまし村」シリーズをはじめとする数々の作品を世に出して、2002年に94歳で亡くなりました。リンドグレーンの作品に登場する自由奔放な主人公や、豊かな自然とあたたかい家族に囲まれた子どもたちの姿に憧れ、夢中になって作品世界にのめりこんだ子どもたちが、どんなにたくさんいたことでしょう。

 私もその一人でした。小学校低学年のころ、ベッドの棚には「やかまし村」シリーズがずらりと並んでいました。日曜日の朝早くに目が覚めると、両親が起きてくるまで、繰り返し「やかまし村」を読んで待っていたことを思い出します。

 「やかまし村」の子ども達の日常は、本当に楽しそうでした。私も近所の同年代の友だちと毎日遊んで暮らしていたので、共感でき親近感がわくところがたくさんある一方で、やかまし村の日常は私の知らない外国の香りがしました。

 「やかまし村」の子どもたちは家が隣同士で、いとこ同士でもあります。歳が少しづつ離れていて、それぞれに個性があって、その関係が面白いんですが、とても共感できました。お互いの家の間に糸をはって手紙の箱を行ったり来たりさせる場面が確かあったように思うのですが、わたしも似たようなことを、隣の幼馴染みと考えたものです。

 クリスマス前にこどもたちで「しょうが入りクッキー」を焼く場面は、憧れでした。おかげで私は、自分が母親になった時に、子どもとジンジャークッキーを焼いたくらいです!

 そして子どもたちのおじいさんの存在が、なんとも温かく、物語全体を包んでいたのも印象的です。

 そんなこんなで、私はリンドグレーン作品の中でも、「やかまし村」の世界に夢中でしたし、それで本が好きになったように思います。今、学校司書をしていることを考えますと、私の人生に影響を与えた作家とも言えますね。

 だからリンドグレーンの映画と聞いて、これは絶対に観たいと思ったのです。

 

 今回の映画は、リンドグレーンの生涯を描いたものではなく、若きリンドグレーンが児童文学作家としてデビューする前の話です。

 詳しくは書きませんが、後にアストリッド・リンドグレーンとなるアストリッド・エリクソンが16歳で恋に落ち、予期せぬ妊娠をして、子どもを里親に預けながら働き、苦悩し、母親として大人の女性として人生を歩み出すまでを描いています。児童文学作家以前の彼女の物語であり、苦悩に満ちたシーンには胸が締め付けられますが、優しさと暖かさが根底にあり感動的です。そして、「ああそういうことか」と、リンドグレーンの作品について合点がいくエッセンスが詰まっています。

 この映画のレビューを読むまで、あの「やかまし村」の作者のリンドグレーンが、こんなにも厳しい時期を過ごしたことがあったとは、全く知りませんでした。驚きの映画でもあります。本当に、観てよかった・・・!

 

 リンドグレーンの作品展をやっていると知り、行ってみたくなりましたが、チラシをよく見ると開催地は神戸でした。遠過ぎ・・・ 

 あ、でも、行っちゃう? もう一度よく見たら、3月でした。釘抜き手術の頃だと気が付き、一気に現実に引き戻されました。

 リンドグレーンに夢中になった小学生は、今ではあっち痛いこっちが痛いのポンコツのおばさんになっております。いえいえ、諦めてはいけません。アストリッド・リンドグレーンは、94歳で長寿を全うするまで子どもの心を忘れず、子どもたちの幸せのために身を捧げました。

 私も、できることをがんばらなくちゃ。

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