今週のお題「いい肉」
骨折後初の風邪。だるい・・・。
今日はコタツで倒れることを決め込んでいます。でも、ブログは更新しなくちゃ。ほら、「釘抜きまで毎日更新」を自分に課しているので。
何を書こうかと悩んだ時の「今週のお題」。今回は「いい肉」ですか。これならいくらでも書けますぞ。
「いい肉」と言えばこれ。山形村短角牛です。
ちょっとホームページから引用させてもらいましょう。
岩手県の北部に位置する山形地区。北上高地の北陵部となるこの地域がわたしたちの暮らしの場であり、活動拠点です。この地域で短角牛の飼育で続けられてきたのが「夏山冬里」というスタイル。5月中旬、新緑が芽吹く頃になると、標高500〜800m程度の丘陵部に拓かれた放牧地に牛を放ち、秋が深まる10月になると牛たちを放牧地から再びそれぞれの牛舎へと戻すというサイクルで飼育するものです。この飼育方法を可能としているのが北上高地という独特の地形と気候です。連なる山々はそのほとんどは標高1000m以下でなだらかな山容は放牧地に適しています。また、ヤマセと呼ばれる冷風は、作物の生育にはデメリットですが酷暑を嫌う短角牛にとっては心地よい環境を作り出してくれます。この地方独特の気候風土が短角牛にとってはかけがえのないものなのです。
通常流通している牛肉は、牛舎の中で大きくして出荷されていますが、この山形村短角牛は、「夏山冬里」にこだわっています。
春先に生まれたかわいい子牛ちゃんは、ひと夏を涼しい山の広い放牧地でお母さんと一緒に過ごします。それはそれはかわいいですよ。
なぜこんなに力説しているかと言うと、山形村短角牛を流通ルートに乗せている「大地を守る会」(現 オイシックス)が企画してくれる生産者と消費者を結ぶツアーで、何度か訪ねたことがあるからです。
数年前まで、毎年のように参加させていただきました。最初は「百聞は一見に如かず」これも息子のためとかなんとか理由を付けていましたが、はっきり言って私がはまりました。
ツアーでは、到着したらその日のうちに、山の放牧地を訪ねます。
子牛たちがベーベー鳴きながら、お母さん牛の後を追いかけている様子はとてもかわいい。でもなによりインパクト大だったのが、「エリート」という雄牛です。この放牧地には、お母さん牛と子牛(雄雌とも)しかいません。唯一繁殖が可能なのが、彼「エリート」。まさに王者。ひとまわりもふたまわりも大きくて、威圧的。人間が見ても怖いです。血統とか体格とか性格とか、いろいろな角度から判断し選ばれました。まさに「エリート」。
ちなみに雄の子牛は成牛になる前に去勢し、頃合いを見て、お肉になります。雄のままだと美味しいお肉にならないのですって。
中には去勢されずに、もう一つの雄としての道を歩んでいる牛もいます。それは、放牧場にはいなくて、闘牛用の牛。この闘牛の様子も見せていただいたことがあるのですが、最大の特徴はとどめをさすまでやらせないこと。明らかにどちらかが優勢になった時点で、「〇〇の勝ち~」と」高らかに宣言されます。だから迫力に欠けるかというとそうでもなくて、駆け引きが面白いです。「キミ、選ばれて闘牛になったんだよね? どうした?」ってくらい心配性な闘牛くんもいたりして、おもしろいです。やられるのは怖いものね。
話を「エリート」氏に戻しますと、広い放牧地で、雌牛が突然、一斉に一方向に向かって、も~も~も~と走っていくことがあります。その先には、堂々と佇んでいる「エリート」 氏。おばさんの追っかけ状態。この時は、子牛ちゃんはほったらかし。もてもてエリート。
でも、このエリートも、最後にはひき肉に。そういうことを知るって大事だよねとつくづく感じました。
到着した日の夜は歓迎バーベキューを開いてくださるのですが、ここで美味しいお肉がたくさんたくさん出てきます。炭をおこして網の上で焼いて、塩胡椒だけでいただきます。初めて食べたときビックリしました。柔らかい、臭くない。ほっぺたが落ちるとはまさにこのこと。そして不思議なことにいくら食べてももたれないんですよね。
美味しさの秘密は、やはり山の上でお母さんと一緒にノンストレスで過ごしたこと。ひと夏を山で過ごした後は、出荷するまで牛舎の中で育てられるのですが、ここでの餌も、国産にこだわっています。生産者さんの家の前にトウモロコシ畑があったのですが、牛用だとおっしゃていました。
「さあ食べて、食べて」と勧められます。自分たちも出荷する一方で、普段は高級なお肉をこんなに食べていないという言葉に、なんだかちょっと申し訳なかったです。
その日は村の宿泊施設に泊まるのですが、翌日は民泊です。ここでも大変な歓待を受け、恐縮しまくり…。でもお泊りすることで、生産者さんとさらに近づいてお話しできたのは、一生の宝です。
明日から12月。すっかり寒くなりました。さっき、コタツの下に敷く、毛足の長いもこもこマットを出したところ。
毎年夏に寄せていただいた生産者さんのお宅ですが、今頃はあの大きなペチカがパチパチいっているのでしょうか。牛舎の中では、牛たちの体から、もうもうと白い湯気が上がっているのでしょう。
産地の方々、生産者の方々、どうぞ体を大事に無理せず冬をお過ごしくださいと、願ってやみません。
山の上の牧場と牛たち。
餌やり体験をさせていただきました。味噌玉の入ったバケツを手に、へっぴり腰の息子でしたが、だんだん慣れてきました。
この日、優勝した闘牛です。確かに強そう。
いわなの串焼き、とても美味しかったです。お肉以外にも、美味しいものがたくさんの山形村です。
写真は2012年のものです。
息子の成長とともに、ツアーに参加しなくなって数年。またいつか行ってみたいなあ・・・
ここまで読んでくださりありがとうございました。