ハロウィンを明日に控え、今夜はホネの絵本についてちょいと書きます。
私は小学校の図書館の仕事をしています。長々仕事を休んでしまったので、子どもたちは私が骨折したことをよく知っています。「大丈夫?」「お大事に」「もう復活したの?」などなど、よく話しかけてくれるので(なんて優しい子たちでしょう・・・!)、今日は復活宣言も込めて、1年生に『しゃっくりがいこつ』(マージェリー・カイラー セーラー出版)という絵本を読みました。
読む聞かせをする人たちの間では、わりと定番の絵本なので知っている人は多いかも。
主人公はガイコツさん。表紙の絵も、コップで水を飲むガイコツさんとなっております。子どもたちに「私が怪我した骨はここですヨ。」と言ったら、「ひえ」という空気を感じました。「でももう、だいたい治ったの。ご心配おかけしました。」と言うと、「よかったね」と言ってくれました。
さて、このガイコツさん、しゃっくりがとまらないのです。ええ、ガイコツなのに、しゃっくりするんですね。かなりシュールな絵本であります。
友だちのおばけくんに「水を飲んでみたら?」と言われてやってみるんですけど、飲んだ水が目から(目の穴から)出てきちゃう。シュールでしょ? あれこれ試みても一向にしゃっくりは止まらなくて、おばけくん、「わぁ~!」っておどかしてもみるけれど、やっぱりダメ。そのとき、おばけくん、いい方法がひらめいたんですね。何だと思いますか?
今日は読まなかったけれど、『がいこつさん』(五味太郎 文化出版局)という絵本も面白いです。
「もうすぐハロウィンだから、ガイコツさんの絵本を見つけました。怖かったらごめんね。」と前置き。「えーっ」とか「へーきだもん」とか、さまざまな反応を聞きながら、読み始めます。
ガイコツさんが、朝目を覚ましますと、何かを忘れています。なんだろう? 思い出そうとガイコツさん、家の中をぐるぐる。「髪の毛をとかすのを忘れたのかな? 髪の毛なんかないくせに。」なんてセリフが、ちょっとおかしい。
散歩をしたら思い出せるかな? ガイコツさん、外に出ますが、やっぱりわからない。おまわりさんに聞いてもわからない。「落とし物は交番へ、お買い物はデパートへ」と言われて、デパートに行ってみます。売り場をぐるぐる。それでもやっぱり思い出せない・・・ デパートの中であと行っていないのはあそこだけ。そう、トイレ。そこでとうとうガイコツさんが思い出したことは?
子どもたちは、「ガイコツさん、かわいい。」と言っていました。確かに、五味太郎さんの絵が、とぼけた感じでかわいいです。話の内容は、『しゃっくりがいこつ』みたいに、シュールなんだけど。
そもそもなんで、人はガイコツが怖いかと考えてみたんですけれど、「死」を連想するからですかね?
骸骨のレプリカのせいで、子どものころ理科室が怖かった人、結構いるのでは? あのレプリカ、今通っている病院のリハビリ室に置いてあります。施術していただく間、眺めていたりするんですけれど、怖くないです。リハビリの先生が動かして説明してくださることがありますが、すごくよくできています。がいこつさん、肘がちゃんと動いていいなあと、入院中は思っていました。レプリカだと怖くないのかな? それと、怖さよりも、よく動くなあという方に関心が・・・ 骨を理解するうえで、レプリカは欠かせません。
そんなふうに骨への興味をかきたてる絵本もありますよ。『ホネホネたんけんたい』(松田泰子 アリス館)です。
イヌやウサギ、リスを始め様々な動物や鳥の骨の写真を見せて、なんの生き物の骨か、どういう特徴があって、その骨にはなんの役割があるのか解説していく形式をとっています。「へー!」がつまった絵本です。巻末にはもっと詳しく知りたい人のための説明が。大人が読んでもすごく楽しめる絵本です。
ホネは、私たちの体の中にあって、とても大切なもの。ガイコツは怖いけれど、ホネは怖くないですよ。ホネは大切に。折らないようにしましょうね。
今日は骨の絵本について、書かせていただきました。読んでくださり、ありがとうございました。