「奈良茶飯」が評判だった川崎宿の旅籠、萬年屋。肝心の萬年屋跡、いまひとつはっきりせず、もやもやしながら立ち寄った「東海道かわさき宿交流館」で「なら茶飯」の素を売っていたので、購入しました。先日、早速作ってみたので、レポートします!
「なら茶飯」の素です。(製造者:株式会社G7ジャパンフードサービス 東京大田事業所)
まずは、袋の表にある説明を。
「奈良の興福寺や東大寺の僧舎で食されたのが起源で米に炒った大豆を加え、お茶で炊き上げたご飯です。江戸時代に東海道を上り宿場町「川崎宿」で名物料理となりました。六郷の渡し近くで一膳飯屋だった萬年屋は奈良茶飯の大ヒットで旅籠を営むようになり、旅人や川崎大師の参拝客等で大繁盛だったようです。」
ふむふむ、なるほど。ひとことで言えば、おでんの時のあの茶飯にさらに大豆が入っているという・・・。あらま、美味しそう。こういうの、好きだなぁ~
原材料は、「大豆、小豆、栗、ほうじ茶、塩」となっています。小豆や栗も入ってるなんて、具だくさんですねぇ。ますます好み。早速、中身を開けてみましょう。
中身は汁も使うので捨ててしまわないように要注意。
1袋につき、お米120グラム用意するようにとのこと。2袋の調理ですので240グラムのお米を洗ってすぐにざるに開けて水を切ります。
炊飯器でふつうに炊いていいのですが、あえて土鍋を出してみました。
お米の上に具材を乗せて(お水は足しません)、白米を炊くのと同じ火加減で炊き上げました。
なかなか、いい感じです!
十分に蒸らしてから、いただきました。ほうじ茶の香りが立ちのぼります。、優しい味わいのご飯でした。炭水化物とタンパク質の両方が取れて栄養バランスがいい。優しい香りが旅の疲れを癒してくれる。これは人気のメニューになったはずと納得!
ごちそうさまでした。
奈良茶飯について、偶然見ていた本にも載っていたので、紹介します。子どもむけの本なのですが、なかなかよく書いてありました。またまた、ふむふむ。
「(前略)この茶飯はまたの名を奈良茶飯という。それは奈良のお寺の生まれだから。東大寺や興福寺の領地では、当時、薬でもあった茶が栽培され、寺に納められた。その茶で炊くめしは古くから寺で食べられていた。番茶には熱に強いビタミンCが含まれ、殺菌作用のあるカテキンも多い。そこに炒り大豆が加わると、タンパク質で栄養もアップし香ばしさも出る。めしに炊き込むことで、炒りだいずより消化がよくなる。肉はもちろん魚も食べられないお坊さんにとって、だいず入りの茶飯は、厳しい修行に耐えるための大切な栄養源だったんだね。その食べ方が奈良の人びとの間に広がり、名物として受け継がれているってわけさ。これが東海道をお江戸まで伝わったようで、のちに川崎宿の茶屋でも出され、『江戸名所図会』に河崎万年屋奈良茶飯という絵もある。」
(『おもしろふしぎ日本の伝統食材⑤だいず おいしく食べる知恵』 おくむらあやお 作 農文協)
そうだったのか~! いろいろわかってすっきりした奈良茶飯でした。
明日は、奈良茶飯を購入した「東海道かわさき宿交流館」について書く予定です。