てくてくわくわく 街道ウォーク

晴歩雨読。週末の東海道てくてく歩き&ときどき読書のブログです!

猫は天敵だった

今週のお題「ねこ」

 私にとって、猫は天敵でした。なぜかって?

 

 子どもの頃、モルモットを飼っていたんです。モルモットにとっては、猫はまさに天敵ですから、飼い主の私にとっても天敵。

 モルモットは庭で飼っていました。今なら、部屋の中でケージで飼うのが一般的なんでしょうけれど、昭和のペット事情はワイルドですから。小屋は、父が林檎箱(木製の!)を再利用して作りました。前面が金網を貼った扉になっていて、斜めの波型スレートの屋根がついて、小屋全体に水色のペンキが塗ってありました。

 当時は今よりも野良猫が多かったように思います。いや、野良ではなく飼い猫だったかもしれないけれど、出歩いている猫が多かったというか・・・ 当然、軒下のモルちゃん小屋は、猫の定期的な立ち寄り場所になりました。気が付くと金網の前に、にっくき猫が座っていて、小屋の奥でモルちゃんが、プルプル震えているというわけです。ネコめ!! かわいいモルちゃんを、ストレスから解放してあげなくては。

 「コラッ」「シッ!!」何度、出ていって追っ払ったことか。ていうか、それが日常の習慣だったかも。庭にゴミが落ちていたらすかさず拾うみたいなノリですかね。やりすぎかって? いやいや、実際、隣の家にあげたモルモットが赤ちゃんを産んだとき、赤ちゃん、頭からバリバリ食べられちゃったし。

 だから、大人になってモルモットを飼わなくなっても、なんとなく猫は好きになれなかったです。猫は天敵だから。

 

 猫がかわいいかもしれないと思うようになったのは、いつからだろう? ジャガーかな?

 ジャガーは、現在の家に引っ越してきたとき、斜め前の家で飼っていた猫です。グレーのきれいな毛並みのねこさんでした。とても人懐っこい猫で、「ニャー」と寄ってきてすりすりするし、ゴロゴロ喉を鳴らすし、挙句の果てにはお腹も見せてくれるし・・・。うちの家族はもちろん、近所の人たちにも、人気のニャンコでした。

 ジャガーは、ただの人懐っこいニャンコではありません。ゴロンとお腹を見せているときに、いきなりピーンと耳を立て、今までのじゃれ合いなんかなかったかのように、通りの向こうへすっ跳んでいくのは、なぜだと思います? 答えはご主人様のお帰り。斜め前の家の奥さんが、コツコツコツとハイヒールを響かせながら、お仕事からお帰りになられる瞬間です。コツコツという音、ずいぶん遠くからでもジャガーには聞き分けられるみたいでした。因みに、お向かいの奥さん(斜め前の飼い主さんではなく)が、コツコツコツと帰って来ても、全然反応しなかったそうです。忠犬ならぬ忠猫。

「あら、ジャーちゃん。ただいま。いい子にしてた?」

 ジャガーは雄猫なんですけど、人懐っこいし、飼い主さんも「ジャーちゃん」とか呼んでいて、ちっとも猛獣の「ジャガー」っぽくない。だから、うちでは「ジャー子さん」と呼んでおりました。

 ジャー子さんは、飼い主さん大好きで、夕方になるといつも、家の前で近所の人に愛想を振りまきながらご主人様のお帰りをじっと待っていたし、お休みの日にご主人様が自転車でお買い物に行く時には、「ニャンニャンニャンニャンニャン」と(ワンワンワンではない)鳴きながら、後を追いかけて行ったりしていました。

 ジャー子さんは特別なねこさんなのかなと思っていたけど、ジャー子さんがお星さまになって二代目ジャガーがやってきたときも、やっぱり同じ。ジャー子さんより外部の人間への警戒心があったけれども、やっぱりご主人様大好きで、「待ち伏せ忠猫」したり、「ニャンニャン後追い」したりしていました。斜め前の奥さん、実はちょっと怖い感じの人だったのですが、猫使いの才能があったのかも⁉ ジャガー一家、引っ越してしまったけど、元気かな?

 

 一昨年、義理の母が老人ホームに入居しました。認知症の症状が出始めていて、二言目には、「ネコちゃんが好き」と言います。ネコちゃんのマグカップ、ネコちゃんの置物、ネコちゃんのティッシュボックス・・・ 子どもの頃、猫を飼っていたらしいのですが、こんなに猫好きだったっけ? 私には怖い姑のイメージしかなかったのですが。あんまり「ネコちゃん、ネコちゃん」と言うので、新年には猫の写真の壁掛けカレンダーを持っていきましたところ、すごく喜んでくれて、「かわいいねえ。ほら、ネコちゃんがこっちを見てる」といつも言います。カレンダーの中で、愛くるしいねこが、駕籠に入っていたり、ソファでごろニャンしたりしているんです。

 この話を知り合いにしたところ、「小さい子どもと犬は、お年寄りの認知症の改善に効果があるって聞いたことあるよ!」と。私は、この時、猫の話をしたのですけどね。彼女、犬好きなんです。3匹も飼ってるし。それはともかく、猫も、認知症に効果があるかもしれませんね。

 

 猫と言えばやっぱり、サザエさんの♪お魚くわえたドラネコ、追っかけて♪みたいに、したたか&ちょい悪で、人間と適度に対立する関係・・・というのは、一昔前のイメージなのでしょうか。昨今では猫カフェもあることだし、ちょい悪から癒し系に、世の猫は変わったのかも。

 でも私は、猫はやっぱり、ちょい悪だと思います。癒し系は生きるための術。

 なんで、猫に厳しいのかって? だって、天敵だから。